☆博麗神社例大祭7新刊告知☆



































「私たちはね、はぐれ者なのよ」



きっかけは、その些細な一言だった。
楽しいパーティーの場に、ピンと緊張の糸が張り詰める。







「いったい何をお考えで?」

「ん? この二人に昔話でもしようかと思ってね」

「今更そんな昔の話、この二人にして一体どうするつもりよ?」



我が儘お嬢様の今日の我が儘、それは「昔話をしたい」。
誰も乗り気ではなく、それでいて誰も反対はしない。







「言いたいんだったらさっさと言いなさいよ」

「そうね……何から話せば、いいかしらね」



急かされるまま、吸血鬼の少女は昔話を始める。
紅の館に住まう、六人の少女の昔話を――。









































刹那、全身の強烈な怖気と、心臓を鷲掴みにされたような感覚が少女を襲った。
彼女は声にならない悲鳴を上げて、ペタリとへたり込んでしまう。
理由もわからぬ自身の反応に理解が追いつかない彼女の耳に、再び甲高い音が聞こえた。



「…………」
瞳に映る情景に、彼女は完全に言葉を失う。
そこがつい三十分前まで自分がいたところだとは、到底信じられるはずもなかった。
































「何者だ、と訊いていると言っただろう。それとも何物だ、と訊くべきだったか?」
男はそれに応じすらせず、ニヤニヤと笑いながら一人で勝手に話を進め出した。
やはり意味が取れずにいた少女は、しかし全く突然に言葉の真意を悟った。悟ってしまった。




力を使い果たし、彼女は迫り来る炎を前にもはや動くことすらできない。
目前に迫った死の恐怖に、悪魔の少女は大きな悲鳴を上げた。
「――助けてぇっ!」
































「…………」
少女は無言のまま、母親を殺した犯人の方を向いた。
目を向けられた男はダガーを一本抜き取り、構えた。そして、少女の目を見る。



(恐ろしい吸血鬼が住んでいる館とは言え、一介の門番程度なら確実に仕留められるはず)
声を出さず笑うと、少女は両手の人差し指と中指を立てる。するとそこに、銀のナイフが現れた。
それらを、呑気に伸びをしている哀れな門番の心臓めがけて、思い切り投げつける。
































遡ること、およそ五百年。この日紅魔館の一室で、一つの産声が上がった。
運命に導かれて誕生した少女の名は、レミリア・スカーレット。
後に最強と畏れられることとなる、吸血鬼の少女。




その、五年後。誰もが予想し得なかった産声が、この日上がった。
運命から外れて誕生した少女の名は、フランドール・スカーレット。
後に最凶と恐れられることとなる、吸血鬼の少女。
































「今となってはもう、笑い話でしかないんだけど――」

「ねぇ、レミリア。アンタにとっても、もう――」

















『Lonely Wolves』

本文: ハッシー
挿絵: 琥榎
装丁: A6文庫版/312P
価格: 1000円





2010/03/14「博麗神社例大祭7」
サークル「Sixth Sense」(配置:東6ホール こ22a)にて頒布。
ぜひ、お立ち寄りくださいませ。










これは血塗られた運命に翻弄された、六人の少女の物語。




















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